以前、コラムに書いた内容ですが、
もっと簡潔に短い文章で説明しようと思います。
詳しい内容は、以前のコラム
「キャッシュフローツリー③空室未回収損」をご覧ください。
アパートマンション経営の
投資分析を行なう時、
かなり早い段階で
一旦足踏みしてしまう項目が「空室率」です。
これには、
正解がありませんし、
地域や物件によって数字がバラバラ。
個別的な物件の事情もかなり影響してきます。
先日、
金融機関の融資担当と話をしましたが、
「どの物件も一律で、20%みている」
とのことでした。
この金融機関で
収益物件融資が承認されることが
少ない理由がわかった気がします。
本やネットを見ても、
なんとなく理解できたような・・
できないような・・・
正解が無いので
当たり前ですよね。
もちろん、
私も正解を持ち合わせておりませんが、
「考え方」を整理しておくと、
実際に予測するときに便利です。
① 時点ベース
② 稼働ベース(1年間)
③ 賃料ベース(1年間)
この3つの考え方が
あることを覚えておきましょう。
そして、
この3つの空室率について
事例を使って確認してみます。
10戸あるアパートがあって、
その内2戸が空室だとします。
その時点での空室率のことで、
20%となります。
(2戸÷10戸=20%)
10戸のうち、
2戸が3ヶ月間空室だったとします。
すると、
1年間を通しての空室の戸数は6戸。
(2戸×3ヶ月=6戸)
1年間を通しての、全体の戸数は120戸
(10戸×12ヶ月=120戸)
1年間で120戸あるうち、
6戸が空室だったことになりますので、
1年間の稼働ベースでの
空室率は5%となります。
(6戸÷120戸=5%)
上記と同じで、
2戸が3ヶ月間空室だったとします。
1戸の賃料を10万円として、
2戸の空室にはそれぞれ1ヶ月の
フリーレントをつけたとします。
この場合、1年間の家賃収入は、
空室期間とフリーレント分の
合計額の80万円が、
満室時より少ない計算になります。
(計算式)
空室期間:2戸×10万円×3ヶ月=60万円
フリーレント:2戸×10万円×1ヶ月=20万円
60万円+20万円=80万円
満室だった場合の1年間の賃料は1,200万円
(10部屋×10万円×12ヶ月)
1年間の賃料ベースでの
空室率は6.6%となります。
(80万円÷1,200万円=6.6)
確認した結果①②③でどうなったか?
①時点ベース(空室率20%)
②稼働ベース(空室率5%)
③賃料ベース(空室率6.6%)
このように、
10戸あるアパートに
2戸空室があったとしても
計算の仕方によって
数字が変わってきます。
どの計算方法が、
より現実的なのか?
このあたりを考えて
空室率を決めると良いのでは?
と思います。
収益不動産は、出口を迎えて
ようやくその投資が良い投資だったのか、
マイナスだったのかといった結果が出ます。
購入する前はもちろん、運営中も出口を意識して計画していくことが大切です。
CPM®(米国公認不動産経営管理士)
(有)丸浜不動産
高山幸也
賃貸物件の空室、募集条件、物件条件、設備、管理、運営コストなど、賃貸経営にお悩みのオーナー様。
CPM®(米国公認不動産経営管理士)の資格取得者である私(高山幸也)が、あなたの不動産の現状分析を行い、課題を見つけ、改善の手伝いを行う「不動産コンサルティング」を行っています。
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