今回は、収益不動産の「安全性」についてのご案内です。
収益不動産を銀行からの借入で購入する場合、
その物件の家賃収入で
ローンの返済ができるか?
非常に気になります。
「ローンのリスクの安全性」
このリスクの部分を
数字で把握することができます。
収益不動産の利回りである
「効率」と同じくらい
「安全性」も非常に大切。
この両方を見ることによってリスクが下がります。
今回お伝えするのは
DCR(デッドカバーレシオ)
DCRは、
購入する物件から得られる家賃収入で、
銀行の融資を返していけるかを判断する指標です。
ローン返済が大丈夫かどうかの
安全性を確認できます。
DCRの計算に必要な数字は2つ
・営業純利益(NOI)
・年間負債支出(ADS)
*NOIやADSにつきましては、キャッシュフローのページをご確認ください。
営業純利益(NOI)が、
ローンの年間支払額である年間負債支出(ADS)に対して、
何倍あるか?を計算することによって、
物件のローン返済能力をみます。
【計算式】
DCR=営業純利益÷年間負債支出
DCR= NOI ÷ ADS
営業純利益(NOI)が
年間負債支出(ADS)より、どのくらい多ければ安全か?
これに関して、これだ!
といった正解の数字はありません。
その人のリスクに対する考え方によって変わってきます。
あえて数字をあげるなら、
広く一般的に認識されている目安は1.3以上。
もし、
銀行への年間返済額が100万円だった場合
130万円以上の利益が欲しいね・・・
といった感じになります。
借入返済額の1.3倍以上の
営業純利益(NOI)があれば
安全圏内と判断されるケースが多いです。
次のような条件の物件購入を検討するとします。
DCR(負債回収比率)の計算式は、
DCR=営業純利益÷年間負債支出
DCR=(NOI)÷(ADS)
DCR=80万円÷55万円
DCR=1.45
1.45>1.3となりますので、
このケースは安全と評価されます。
仮に金利が上昇したとして、
年間負債支出(ADS)が1.45倍になっても
家賃収入で支払っていける投資という事になります。
また、別の見方をすると
55万円(ADS)×45%=24.75万円
営業純利益(NOI)が
24.75万円下がっても
返済できることも分かります。
(80万円-24.75万円=55.25万円)
という事は・・・
年間家賃が24.75万円下がっても大丈夫
といった事になります。
このあたりをどう判断するかは、
投資される方それぞれの目標によっても異なってきます。
金利の上昇などで、
年間負債支出(ADS)が1.3倍上がっても
家賃収入で支払っていけるということを意味しています。
ということは・・
DCRが高ければ高いほど、
安全性が高いということになります。
おおよそですが、
DCR1.3は、家賃が約20%ダウンしても大丈夫なレベルを想定しています。
仮に
営業純利益(NOI)130万円
年間負債支出(ADS)100万円
このようなケースの場合
DCR=130万円÷100万円
DCR=1.3
安全圏内といわれる「1.3」になります。
これは、
100万円(ADS)×30%=30万円
営業純利益(NOI)が
30万円下がってもローンの返済ができることを意味します。
(130万円-30万円=100万円)
130万円のうちの30万円は約23%
30万円マイナス
ということは、23%ダウンとなります。
DCRが高ければ、
ローンの返済に余裕があることになります。
また、
DCRが1に近づくほど、ローンのリスクは高まります。
そして・・・
1未満はデフォルト(破綻)となりますのでご注意を。
目標とするDCRがある場合、
逆算することによって、
年間負債支出(ADS)の限度額を把握することができます。
【計算式】
ADS限度額=NOI÷DCR
収益不動産は、出口を迎えて
ようやくその投資が良い投資だったのか、
マイナスだったのかといった結果が出ます。
購入する前はもちろん、運営中も出口を意識して計画していくことが大切です。
CPM®(米国公認不動産経営管理士)
(有)丸浜不動産
高山幸也
賃貸物件の空室、募集条件、物件条件、設備、管理、運営コストなど、賃貸経営にお悩みのオーナー様。
CPM®(米国公認不動産経営管理士)の資格取得者である私(高山幸也)が、あなたの不動産の現状分析を行い、課題を見つけ、改善の手伝いを行う「不動産コンサルティング」を行っています。
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