アパート、マンション、駐車場など
賃貸不動産をお持ちのご家庭で
相続が起こったときによくあるのが
「振込先を変更して欲しい」というリクエストです。
金融機関によっては、
通帳の名義人が亡くなられた場合
その口座からの出金だけでなく
入金もできなくなる
つまり、
口座が凍結される状況になることもあります。
毎月その口座から引落されていたものが
引落されなくなったり
アパートの入居者からの
家賃の振込ができなくなったりします。
実際に入金に関しては
しばらくの期間
入金を受付けてもらえるよう
金融機関と話ができたけど
インターネット経由での振込は
システム上、入金不可
といったこともありました。
口座が凍結されると
何かと不便になりますね。
こんな理由もあって
家賃の振込先を変更する要望が多いと思います。
しかし、
安易な振込先変更は注意が必要です。
実は振込先口座の変更をすると
相続放棄ができなくなります。
例えば亡父が所有していたアパートの
賃料振込先口座の変更をすると
相続財産の処分という行為に該当して
相続財産について
「単純承認」したとみなされ
相続放棄はできなくなります。
これ、
ちゃんと過去に判決もでてます。
被相続人所有のマンションの
賃料振込先を自己名義の口座に変更する行為は
相続財産の処分にあたり、単純承認にあたる
(東京地方裁判所平成10年4月24日判決)
多くの方の場合
相続放棄をすることは無く
心配されなくても大丈夫と思いますが
振込先変更前に
一旦考えて欲しい事柄ですので
頭の片隅に入れておいてください。
「家賃の振込先を変更すると、相続放棄できなくなる」
相続対策には、分割対策、納税資金対策そして、相続税支払い後の財産を高める対策があります。相続対策というと、相続税の節税対策ばかり注目されていますが、節税対策は手段のひとつに過ぎません。全体の状況を把握せずに手段ばかり行った結果、相続が発生するたびに資産が減っていってしまっている方を多く見かけます。相続税の額を減らすことを第一に考えて行動した結果、実は財産も減っていたなんてこともあります。財産が減った結果、相続税が減るといった現象は節税ではありません。このような結果にならない為にも、建築業者やセールスありきの各分野の専門家に相談する時は、私共のような相続対策コンサルタントを窓口としてご利用ください。
ICA公認 相続対策コンサルタント 高山幸也
相続対策コンサルティング申込みフォーム