「相続放棄」と「遺産分割協議で相続分を放棄する」のでは
おなじ相続放棄でも全く意味が違います!
相続人同士で相談した結果、
「今回はお母さんにすべて相続させよう」とか
「実家を継いでいる長男がすべて相続することにしよう」など、
相続人の一人が相続をして、
それ以外の相続人は相続の権利を主張しない。
このような意見が円満にまとまった後
気を付けるべきことがあります。
基本的に、
相続財産は、一旦相続人全員の共有状態となり、
遺産分割によって各々の相続人固有の財産に分けられます。
共有状態になってから
自分の持ち分を放棄するのか、
最初から放棄するのかは、
同じ「放棄」であっても、全く違った意味になります。
まず、
相続の権利を主張しない方法としましては
①遺産分割で相続分を放棄する
②相続放棄する
上記のような方法があります。
①の「遺産分割で相続分を放棄」
を選択する場合は、
相続人の共有状態になってから、
自分の持ち分を放棄するという意味になります。
一旦は相続したけど、
話し合いの結果、
自分の持ち分を放棄するといったことです。
この場合の最大の注意点は、
ご自身は相続を放棄して終わりと思っていても、
万一後から負債などのマイナスの財産が見つかった場合、
自分もその責任を負うという事です!
相続は、プラスの財産も
マイナスの財産も受け取る訳ですから、
プラスの財産を放棄したからといって、
マイナスの財産の責任が無くなった訳ではありません。
②の「相続放棄」を選択する場合は、
相続発生を知った日から
3ヶ月以内に家庭裁判所へ意思表示する必要があります。
この場合は、
最初から相続を放棄していますので、
相続人の共有状態の中に入りません。
あとで、マイナスの財産が見つかっても、
こちらの場合は、
最初から放棄しているので、
それに対する責任はありません。
ただし、
生命保険の非課税枠などが使えなくなります。
どちらも、
メリット、デメリットがありますので、
こっちが絶対にいいといった事はありません。
じっくりと検討して選択してください。
相続対策には、分割対策、納税資金対策そして、相続税支払い後の財産を高める対策があります。相続対策というと、相続税の節税対策ばかり注目されていますが、節税対策は手段のひとつに過ぎません。全体の状況を把握せずに手段ばかり行った結果、相続が発生するたびに資産が減っていってしまっている方を多く見かけます。相続税の額を減らすことを第一に考えて行動した結果、実は財産も減っていたなんてこともあります。財産が減った結果、相続税が減るといった現象は節税ではありません。このような結果にならない為にも、建築業者やセールスありきの各分野の専門家に相談する時は、私共のような相続対策コンサルタントを窓口としてご利用ください。
ICA公認 相続対策コンサルタント 高山幸也
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