アパートマンションなどの収益不動産の「家賃収入」は、常に満室分の収入が入ってくる訳ではありません。
退去後に次の入居者が決まらず空き部屋になったり、家賃の滞納などのリスクがあります。
今回は、空室と未回収損についてお伝えします。
退去後の原状回復工事期間
バリューアップ工事期間
募集期間など、空室期間は必ず存在します。
この空室を念頭に置いて賃貸経営を考え、てリスクの軽減をしましょう。
空室のリスクは、「空室率」と呼ばれ、
大きく分けて3種類の考え方があります。
現時点で、どの位空室があるか?
現在の空室の割合に注目する考え方です。
【計算式】
空室数÷総戸数×100
10室のうち、2室空室なら、空室率20%となります
1年間で、どのくらい空室があったのか?
1年間の空室期間の合計を計算して、
1年間でどのくらい稼働していたかに注目する考え方です。
【計算式】
(空室数×空室期間)÷(総戸数×稼働期間)×100
10室のうち、2室が3ヶ月間空室だった場合
(2室×3ヶ月)÷(10戸室×12ヶ月)×100=5%
空室率5%となります。
1年間で実際に入ってきた金額はいくらか?
入ってきた金額と、入る予定だった金額に注目する考え方です。
フリーレントをつける場合なども、
このような考え方を持って、空室率を想定します。
【計算式】
(予定賃料-実収入)÷予定賃料×100
予定賃料が1,200万円、
実際に受け取った賃料が1,140万円だった場合
(1,200万円-1,140万円)÷1,200万円×100=5%
空室率5%となります。
上記Aの時点ベースは現地を見れば分かりますが、
他の方法で検討したくても
情報が一般公開されていないケースがほとんどです。
仲介業者や管理会社へ聞けば
教えてもらえそうな気もしますが、
把握できていないケースもあると思います。
そんな時、どうやって「空室率」を捉えるか?
自分が簡易的に行っている方法もご紹介します。
ポイントは「1年間での空室期間」
ここを計算して、
周辺の物件の入居具合、同等物件の家賃や入居の状況、
物件の状態、周辺環境を確認して考えていきます。
1DK、2階建、6戸の物件で検討してみます。
この物件が、年間(12ヶ月)で貸出しできる戸数は、
6戸×12ヶ月=72戸
1年間で72戸の部屋を貸出しできます。
仮に空室率を20%として考えてみると
72戸×20%=14.4戸・・・15戸とします。
1年間、72戸あるうちの15戸が空室という想定になります。
この状況で想定できることは・・・
・1部屋が1年間、もう1部屋が3ヶ月空いていた
・2部屋が7~8ヶ月空いていた
・3部屋が5ヶ月空いていた
このようなことだと思われます。
この物件は1部屋空くと、
1年間次の入居者が決まらない・・・
そんな物件なのか?
こんな事を考えながら、物件を改めて見直してみます。
そんなことは無い!!って思ったら
次のパターンを検討
今度は、空室率を10%で考えてみます。
72戸×10%=7.2戸・・・8戸とします。
1年間、72戸あるうちの8戸が空室という想定になります。
この状況で想定できることは・・・
・1部屋が8ヶ月空いていた
・2部屋が4ヶ月空いていた
・3部屋が2~3ヶ月空いていた
この物件は1部屋空くと、
次の入居者が決まるまで8ヶ月・・・
こんな状況です。
あとは、先程とおなじで、
物件の状況、周辺の状況、同等物件の状況を見ながら検討します。
現段階で何部屋の空きがあるのか?
その空室はどのくらいの期間で決まるのか?
この辺も、しっかりと把握して考える必要があります。
そして、
リフォームが必要かどうかなど、
空室率改善の為の費用が必要かどうかも大切です。
空室率を多めに見て安全性を高めるのは良い事です。
しかし、
ここが高すぎると正直言って「買える物件」がなくなってしまいます。
やはり、それなりの適正な数字での判断が必要となる訳ですが、この部分は公のデータがありませんので苦労します。
家賃滞納などの未回収損は、募集時に家賃保証会社などへの加入を義務付けることでリスクが無くなります。
稀に、
家賃保証会社が倒産してしまうリスクはありますが、
利用する業者が家賃債務保証業者登録をしている業社かどうかとか、数社に分ける方法もれます。
この制度は積極的に活用しましょう。
100%稼働の物件は無いので、リスクは前もって予測しましょう。
空いたら何ヶ月で決まる物件か?こういった見方も大切!
家賃保証会社の利用は必須です!!
【収益不動産で大切なこと】
収益不動産は、出口を迎えて
ようやくその投資が良い投資だったのか、
マイナスだったのかといった結果が出ます。
購入する前はもちろん、運営中も出口を意識して計画していくことが大切です。